2009年5月22日

2008年度合格者インタビュー


今年(去年)も沢山受かりました!!
ということで、2008年度の合格者20数名の中から選りすぐりの三人にどばたの映像という場所、合格の秘訣、はたまた自分の表現のことについて色々とインタビューしました。今回はかなり深いところまで突っ込んだ話を聞けました。

今回は武蔵野美術大学造形学部映像学科に在学中の、市川さん、鵜沢さん、研壁くんの3名に、大学の授業も本格的にスタートした5月上旬に話を聞きました。それではどうぞ。

Q:映像科を目指したきっかけを教えてください。

鵜沢:他に無かったからっていうのもあったんですけど、美大かっこいいなっていう憧れの気持ちがあって、映画が好きだったからです。

市川:小学校の頃に買ってもらったゲームボーイがきっかけです。ドットがまだ粗いモノクロの、確かクレヨンしんちゃんのゲームで、人生で初めてやったゲームでした。志望校を決めかねている最初の頃はゲームデザインに関われるデザイン科などを考えていたんですけど、動くものがこんなにも人を感動させることができるんだ、人を楽しませることができるんだと気付き、自分も何か映像を作りたいなと思いました。
どばたに通うことで人を楽しませるのはもちろん、自分も楽しめるんだなと気付きました。

研壁:高校二年生の頃はどばたの基礎デザイン学科にいて、一般の大学に行くか美術系の大学に行くか悩んでいました。そんな時にふと「やまとなでしこ」っていうテレビドラマを観て、面白いからビデオを借りてきてメイキングなども観たんですけど、それがすごい自分の興味を引いた。映像を作る裏方の人たちの様子を見て、自分もそれを学びたいなと素直に思いました。単純に監督さんの笑顔が素敵だったり、松嶋菜々子さんみたいな女優を自分の作る映像の中で使うのってどういう気持ちなんだろと気になったりしたというのもあります。
最終的に美大に行こうと決めた大きな理由としては「普通の人になりたくない」と思ったからです。

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市川恭子さん

Q:課題ごとのアイデアをどうやって出していましたか?ネタ探しなどはしましたか?

研壁:自分の好きなものをやればいいとわかって、こだわればいいと思いました。例えばダンスが好きだからミラーボールとか、自分の好きなものからネタを広げられるということを後半の時期に気付きました。授業中は集中してひたすら思考していました。

市川:私は自分の好きなものというのは特になくて、みんなが作品を作る中でこの人はこういうものを作るんだと思い逆に私はこういうものをやろうと他人の発想に発想させられました。そのひとの考えに偏ったり、違う考え方があるんじゃないかとか分析しました。
あと本をひたすら読んでいました。梶井基次郎とか小林多喜二とか。文豪の短編集は読んでいてとても参考になりました。

Q:本や映画からどうやって想像を膨らませるんですか?

鵜沢:全部自分のなかに取り込んだ上で、自分だったらどう書き直すかとか、あと一文にすごく影響されたりしました。疲れている時とかは絵本をよく読んでいました。絵本は子供向けに作られているけど、大人が読み聞かせるために作られているものであって結局どちらのものでもないのかなあと思います。

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鵜沢基葉さん


Q:好きな作家について教えてください。

鵜沢:坂口安吾と太宰治。日常にひそむ退廃的なものに着目している感じが共通していると思います。時代背景とかわからなくても、自分の記憶と照らし合わせて自分に引き寄せて観ると楽しい。あと寝るときにジブリをノートパソコンで流していました。トトロとか。

研壁:日本映画の行定勲監督ばかり観てました。あと是枝裕和や北野武監督など。これらのひとがどういうテンションで撮っているのか知りたかったのでメイキングを観たりもしていました。コメンタリーなど聞くのが好きで監督の言葉に影響されたりしました。自分の好きな作家に共通するところは一環した疑問を持って表現に取り組んでいるところ。ゲイとか差別とか。

市川:湯本香樹実の本を友達から誕生日にもらって読みました。すごく好きになってその人の本を全部読みました。自分の作品に内面やテーマの面で影響が出ました。一番好きな小説家です。美術でいうなら勅使河原原三郎。横トリで作品を観た瞬間ビビビっときました。映画は岩井俊二。
私の好きなものは生死、物の生き死に、対比、子と老人など。死にそうな老人に子供が接するとか両極な対比がよくある。例えばガラスをモチーフにしている作品も繊細だけど痛い、といった対比があると思っています。

Q:楽しかった課題はなんですか?

全員:全部きつかった〜(笑)

鵜沢:言葉を沢山連想させる課題は好きでした。満足のできる作品が作れたのは文章を書く課題でした。

市川:アイマスクの課題が凄くよかった。10分アイマスクをつけて立って歩いたりしてそこからの経験をもとに文章を書く課題で、アイマスクを着けるだけでそれをきっかけとして周りのひとが普段と違う動きをしたりする。それを眼の見えない状態で感じる努力をするのが楽しかった。当然誰かがいたずらしたり、アイマスクを外したあとのコミュニケーションも面白かったりして。普段の課題にも活きるような体験でした。逆に他科の学生はどうやって感覚を鍛えているんだろうと興味が湧きました。

研壁:「鳥は囀る」というムサビの過去問の課題が面白かった。はじめて講評で一位になりました。今までの思考が活かせた作品で面接で、先生と相談したようなことが活きて作れた作品。鳥は囀るというキーワードからパン・オプティコンの空間を作った。ひとからのアドバイスだったものが自分のものになる瞬間が嬉しかった。

鵜沢:家族をテーマにしたものがとても多かった。評価がよかったし、そういったものが参考作品になって自分の励みにもなった。

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研壁秀俊くん


Q:映像実習はどうでしたか?

市川:今大学でグループを組んで制作をしてるんですけど、ミーティングの際どばたの映像実習が活きてどういう風にプレゼンすればいいのかわかりました。相手に伝えるための技術面やちょっとしたものの言い方などを非常に多くのことを学びました。

鵜沢:ものごとを整理して大事なことをかいつまんで話す。いっぱいある話すこと、伝えたいことの中でなにを選んだらいいのかなど、伝えることの重要性を学びました。今になって役に立ってると実感しています。

研壁:憧れのチームワーク!ということですごい楽しかった。自分の一言が映像に影響するということ。心から好きな人たちと制作ができて本当によかった。

Q:学科対策はどのようにしていましたか?

市川:浪人決定の時点で絶対学科をやろうと決意しました。5月などはバイトから帰ったあと、絶対勉強するようにしていました。バイトのお金で展示や作品を見て色んな人と接しました。10月頃にちょっと不安を感じて模試の評価がB→C→Dと下がっていました。10月にがーっとやってBをとって最後にAとりました。
英語は蓄積が強くて国語は当日に左右される分が大きい。なの英語は絶対やるべき。嫌いでもやるべき。英文が理解できないとうひとは読めない単語をマークしてそれを書き出して単語帳を作るといいと思います。

鵜沢:なんか自分を過信してました。できると思い込んでいました。学科できないから実技に賭けると思ってたら落ちます。自信と過信は違う。

研壁:自分の高校が進学校なので見たことのある問題は多かった。知っている情報は多かったけど解き方を知らなかったので点数をとれなかった。知っているだけでは駄目で、知っている問題をひとつずつ潰していかないといけないんだなあと思いました。

Q:映像の魅力ってなんですか?

市川:映像は静と動である。静を動にもできるし動を静にもできる。それが魅力。時間を操作できるということはなんでもできるということ。

研壁:ぼくはアニメーションが好きなんですけど、やっぱりなんでもできるなあと。1時間なり2時間なり長い時間作品を鑑賞者を向き合わせることができる。

鵜沢:カメラは簡単で押せば撮れる。ちょっと基礎を学んだだけでそれっぽいものができるようになるんだけど、だからこそ難しいというのを最近よく考えます。どんな種類のアートよりも身近だからこそなんなんだろうと考えさせられる機会が多い。同時に映像をアートして受け入れることに対する壁を感じます。

Q:夢はなんですか?

研壁:映像は記録媒体であり、録画されるもので、それが時間を越えて感動させることができるけどそのことすら越えたい。生の魅力にあえて勝ちたい。

市川:そのときの自分らしい作品を作る。例えば自分の見たものをとにかくひとに記憶させたい。

鵜沢:パルコギャラリーのような華やかな場所で作品を展示したい!あと大きな家に住みたい!

Q:受験生にアドバイスを

研壁:自分に素直になること。できないことを常に分析していればできることしかなくなるはず。最初からそれをやればよかった。あと直前にスラダン読め。

市川:せっかく通うんだから一緒に作ったひとの作品をよく見よう。自分と違う人間がいるということを認めよう。そして自分の限界を作らないようにしよう。

鵜沢:評価にうぬぼれない。コンクールで一位でもわからない。誰でも落ちるし誰でも受かる。負けないで!




2008年5月 9日

2007 合格者インタビュー


2007年度に在籍した学生に、映像科を目指したきっかけから志望大学合格の秘訣など、様々な質問を投げかけてみました。ドバタ生活とは如何なるものか?ありのままの声を聞くことができました。

今回は武蔵野美術大学造形学部映像学科に進学を決めた、横田君、大曽根さん、守矢さんの3名に、受験を終え、入学式を控えた3月末という熱い時期に話を聞きました。

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横田雄一朗君


Q:映像科を志望したきっかけを教えてください。

横田:高校で進路を決めるときに、自分を伝えたいっていう気持ちがあって、それを形にして残せたらいいなと思って。映像を選んだのは、テレビとか映画って身の回りに溢れてるから、そういうところで作品を作れば沢山の人に知ってもらえるんじゃないかと。そこに広がりを感じたから受けました。

大曽根:小さい頃から物を作るのが好きで、中学の時からなんとなく美大に行くっていうのは決まっていました。写真を撮るのも好きだし、CMも本編の隙間というのではなく作品として楽しんで見ていたので自分でも作ってみたいと思い、それで映像科を志望しました。

守矢:最初は一般大に行こうかと思ってたんですけど、高校で大学ツアーがあって美大に行ってみたら楽しそうで、美大進学を決めました。それでどばたのパンフを見てみたら映像科があって、自分はお話を書いたり本を読むのも好きだから、言葉を使えるし、課題も楽しそうだなって思い映像科にしました。

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大曽根恵子さん


Q:映像の魅力ってなに?

大曽根:自分の視界を引き剥がしてそれをそのまま他の人にも見せることができるっていうのがすごく魅力的だなと思います。どばたに来る前はアニメーションが好きで、ありのままの光景を写した写真や映像に魅力を感じなかったのですが、作品を作ったり、様々な映像を観ていくうちに、日常の光景を見ても「光がきれいだな」とか「どうやって撮ったらいいかな」と思うようになって、そういった映像が好きになりました。

横田:普段から写真を撮っていて、何気ないことですら作品になったり、カメラを持つことで普段は気づかなかったものの魅力に気づけたり。シャッターを押すだけで撮れるっていう手軽さも魅力だと思います。

Q:映像科での作品作りで大変だったことは?

大曽根:春や夏の講習会で、毎回自分の作品に対して「課題には答えられているけど何か足りない」って講評で言われ続けて、二学期から映像科に通い始めて演出について考えるようになりました。制作に対して自分の中で勝手に制約を設けていた部分があり、その先まで考えていなかった。そのことに気づいたのが冬季講習会のことで、自分の考えを作品化するっていうのがどういうことなのか、段々わかってきました。

守矢:私は映像科に来て初めの頃はどんな風に作品を作ればいいのかわからなくて、日常のなかの素敵なことを描いたようなお手本みたいな作品を作ろうとしていて、あまり好き勝手にやってはいけないのかなと思っていました。冬季講習で自分の興味のあることを問われたときに、落書きっていうのが思いついて。ただそれをどうやって作品にすればいいかわからないし、恥ずかしいっていう思いもあったんだけど、先生に「落書きをそのまま書いちゃえば?」って言われて、女子高生の足を描いたり、小さい落書きで画面を埋めたりして。作っていて楽しかったし、良い評価ももらえて、自由にやっていいんだなって気づきました。

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守矢真衣さん


Q:映像実習はどうでしたか?

大曽根:夏季講習の実習ですごく印象的だったのが絵コンテ。大量の感覚テストを作るっていう感覚だった。大変だったけどアイデアを出すの楽しかった。自分1人でやってたらただ苦しい作業だったのかもしれないけど、話し合いながらやったからいっぱいアイデアが出てきて、それを形にするのが楽しかったです。

守矢:1学期と夏季の実習は自分から積極的に参加できなくて。でも2学期の実習で初めて自
分の作品を作ることになって、監督やるのもカメラを回すのも初めてで、ただ液体を垂らしてそれを撮るだけだけなのに思い通りにいきませんでした。映像作品を作ることってこんなに大変なんだと実感しましたね。いつもの課題は1人で作るものだから気づかなかったけど、映像制作はグループワークだから、内容を詰めてから撮らないとだめなんだなって感じました。

Q:どばたの友人や講師について教えてください。

守矢:どばたの友達は1年間しか一緒じゃないのに深い付き合いが持てました。作品を通してその人が見えてきたり、課題の話や色々なことを議論したりすることは高校の友達とはできないことなので充実してました。

横田:入試前に先生に言われたのが「万能選手になるな」っていう言葉。何かに特化した人の方が魅力的だっていう意味だと思うんですけど。友人では欠点を遠慮なく指摘してくれるっていうのが新鮮で嬉しかったです。

大曽根:本や映画などで似たような趣味の人が沢山いました。私、初対面の人と友達になるのって苦手なんですけど、どばたでは一気に溶け込めて心地よかったです。お昼休みに、午前中に書いた小論文の延長で皆で議論したこともあったし。

Q:来年の学生に向けてアドバイスを!

横田:寝てるとき以外はいつも五感を働かせること。あとどばたを休まないこと!

大曽根:作品を作りたいという欲望を常に絶やさないこと。もし、もうやだって思ったらそれを有効利用して色んなものを見たり、勉強をしたり、全然違うことをして自分のバイオリズムをちゃんと作って、表現欲が作品に込められるようにしたらいいと思います。

守矢:私はあまり勉強をしなくていいやって思っていて、学科に力を入れてなかったから後半になって後悔しました。学科だけじゃなくて実技も、後半は余裕なんてないから、前半にもっと映画観ればよかったし、制作の参考になるような写真のファイリングももっとしておけばよかったと後になって困りました。だからそういうことはしておいた方が断然良いと思います。